Olympic 1935

1873年の創業より長い歴史を持つエピフォンブランド。Stathopoulo期ニューヨークの地で名を馳せたアーチドトップ黄金期1930年代。美しい全体のフォルム、細部までこだわったディティールと全体で計算されたハイセンスなバランスのデザイン、良き時代の象徴です。オリジナリティーの高いサウンドも持ち、アーチドトップ界ではGIBSONと席巻し人気を博したEpiphoneですが、のちの1950年代晩年期、経営陣の不仲などにより徐々に衰退。1957年以降はライバル社であったギブソンに買収され、工場がカラマズーに統合されました。1930s黄金期時代の輝かしい作品は今もなお、アーチドトップを愛するジャズギタリストをはじめとしたコアなファンの心をつかんで止みません。本器は1935年製Masterbiltシリーズの"Olympic"。14 3/4ボディーワイド、ハンドカーブドスプルーストップ、マホガニーサイドバック、センターで継がれた2Pネック、ドット指板ポジション、ハカランダ指板、ホワイトセルバインディング。ピックガードと固定金具は欠損しております。1931年より発売されたOLYMPIC。発売当時は13インチボディでしたが、3度サイズが変わり年々大型化した経緯を持ちます。その後1949年には生産終了となりました。本器は2度目のサイズ変更のタイミングで製作が行われた個体。比較的安価な位置づけで製造が行われており、装飾もシンプルに抑えられた比較的小型なモデルになります。アーチトップではメイプルを使用されることも多いですが、本器はマホガニーを使用しまた一味違ったニュアンスを持つ1本。甘いというよりはドライ、ガランとしたマホガニー特有の響きを持ち、音の輪郭が空気に混じるようなエア感を持ったサウンド。耳にキンと来ない柔らかさを持ち、強めのピッキングでも音が纏まりやすい特色を持ったアーチトップです。ネックヒールキャップは欠損、ペグは近年のモノへ交換され片側4つある内のビス穴は2つネジが欠損しています。チューニング自体は問題なく行えるため実用上差し支えの無い状態です。1弦側Fホールの上部、くびれ付近に木部クラックが入った跡が見られますが丁寧に補修がされており、使用上問題ありません。ブリッジは当時のカタログと見比べても形状が異なる為、恐らくリプレイスされているかと思われます。ボディ縁の細やかなキズ、塗装剥げ、ヘッド裏の塗装が粘着テープに反応したであろう跡等長年使用されてきたであろう形跡が見られる貫禄のある個体。ネック自体は若干の順反りとなりますが、この時代の構造としてはストレートに近い良好な状態。ネックシェイプは現代から見てもさほど太さを感じづらく、弦高も現代的で弾きやすい演奏性に整えられており、まだまだ実用的な1本です。エピフォン黄金期に作られたアーチトップギター。現代とは異なる設計思想を感じられ、本格志向でありつつも入門に使える1本です。独特のアーチトップサウンド、是非この機会にいかがでしょうか。 汎用ハードケース付属。 Condition:EX+ Top:Solid Spruce Side:Solid Mahogany Back:Solid Mahogany Neck:2P Mahogany Fingerboard:Jacaranda Machine Head:Waverly Fingerboard Inlay:Fancy MOP 6P Rosette:none Binding:White Cell Bindhing Pick Guard:none Pick up:none Nut width:43mm Scale:643mm Case:Hard Case