Ryosuke Kobayashi Guitars RS -MIKI 200th Anniversary-
三木創業200周年を記念し、代表作"RS"をベースに特別仕様にて製作された渾身の1本。通常オーダーでは中々見られないシェルを基調とした豪華仕様です。
神奈川県相模原市の工房にて小林良輔により製作される"Ryosuke Kobayashi Guitars"。数々の著名な作家を輩出しているアメリカのロバート・ベン・スクールでギター製作の基礎を学び、国内のベテラン最高峰ルシアー杉田健司氏(スギクラフト)に師事。後にカナダのルシアー、サーゲ・デ・ヤングの所でさらに違った角度からの技を磨き上げ、満を持して独立。2019年には自身が製作した作品のギターが「JAPAN WOOD DESIGN AWARD 2019/ウッドデザイン賞」を受賞。最も拘られている楽器の音色へのアプローチもさることながら、緻密かつ抜けに出た高い木工技術とアート性の高いデザインなど高く評価されている国内を代表する世界の誇る人気ルシアーです。本器は弊社200周年を飾るモデルを3部作にて作って頂きたいとオーダーした第一作目。この春出来上がったばかりの"RS -MIKI 200th Anniversary-"モデルです(Steel Strings)。本器RSシリーズは16インチ弱のボディーサイズを持ち合わせながら、深いくびれと丁寧に仕上げられたボディーエッジの曲線がとても抱えやすく、その見た目にも感覚にも大きさを全く感じさせません。
小林氏曰くRSに関しては強度を確保しつつ(現時点で)イメージした音色にたどり着いた作品との事。
小林氏のこだわりが詰まったアイテムと言えます。
縦横の密度がしっかり整った端正なジャーマンスプルーストップ、サイド&バックにはダークで落ち着いた木色でエキゾチックに陰影が舞った杢目を持つエキゾチックエボニー。エキゾチックエボニーはRSでは初めての試みでかつ、小林氏現在で一押しの材として真っ先に挙げたもの。重厚な音色が小林氏の作品にマッチします。マホガニー1Pネック、エボニー指板、CSAローズウッドブリッジ、エボニートラスロッドカバー、エキゾチックエボニー天神板、特注のゴトーブラックパールボタンのKG-02チューナー。
ウッドの装飾が普段から小林氏の作品は多いなか、本作品はトップボディーパーフリングにブルーパウアをふんだんに使用。ロゼッタにはコントラストが美しいエキゾチックエボニーのリングを挟むように2層のブルーパウアのリングで飾られています。 サイドバックには気の遠くなる手間の積層ウッドラインが施され、サイドサウンドポート、エボゴールドフレット、オリジナルXブレイシング。フレンチポリッシュ(セラック)フィニッシュ。今作は貝埋めの作業から木の積層装飾など途方もなく細かい作業で手間暇かけて念入りに作られた一本。通常オーダーでは見られない豪華な仕様となっています。
小林氏曰く"複雑なことをいかに目立たないようにできるか"という挑戦をされており、対価とはかけ離れた職人魂と言うべく、修行のようなミッションを自身で掲げられています。
遠くから見えるギター全体のバランス、はたまた近くで見れば見るほどその作りの緻密さに笑みすら浮かべてしまう精密で手間のかかった美しい細工の仕上げ。
寄り引きどちらからでも違った表情で楽しめる、究極のデザインです。ボディを最大限に生かした広いレンジ感と奥行きのある立体感、そして埋もれず伸びるクリアな粒立ちの良い完成されたトーンです。必要十分で丸みを帯びつつ膜のない美しい出音で情景を浮かべるようなノスタルジックなロートーン、ふっくらとした抱擁かつ膜がなく、音像が明瞭な中域、ソロプレイにとどまらず埋もれることなくかつ太さをキープしキャラクターを崩さないプレーン弦。弾き手の表現、表情が最大限忠実に音に反映される素晴らしさを持ち合わせています。
写真だけでは伝わりきらない作品の良さをぜひ店頭でお手に取ってご覧頂きたい一品です。