Type-DC Ziricote 2022

独自の構造によるビグスビー付きのアコースティックギターで一躍有名になった、製作家”岩根康”氏によるブランド、”Iwaneko Guitars”。本器は某ショップの周年を記念して製作されたドレッドノートカッタウェイモデル、"Type-DC Ziricote"。2022年製作のUSED品です。ルッツスプルーストップ、ジリコテサイド&バック、メイプル＆ローズウッド3Pネック、エボニー指板&ブリッジ、スロテッドヘッド、ゴトー SD90マグナムロッククロームペグ、メイプルボディバインディング、パールトリム、パール＆ウッドロゼッタ、０フレット仕様、フローレンタインカッタウェイ、スキャロップドXXブレイシング。元々楽器製造メーカー勤務経験のある岩根氏。その後は一般企業に勤めつつ、その傍ら個人での製作を2006年から開始し現在ではおよそ19年程製作を継続、年間数本程の製作で寡作と言える製作家です。構造物として頑丈に、をポリシーとして製作を行っています。氏は独自の信念を基に設計を行っており、ネックを積層とすることで弦振動のロスを抑え伸びやかな音と音量を確保、０フレットによる滑らかなチューニングと耐久性の確保が挙げられます。本器はトップにはルッツスプルースを配し、サイドバックには幾重の層が重なったような杢目のジリコテを使用されています。塗装にも工夫を凝らされており、出音に大きく影響するトップ面のみシェラック塗装、サイドバックには実用性を考えてウレタン塗装にされていると予測されます。周年を記念して製作されているだけあり、白蝶貝によるインレイが映える仕上がり。指板の縁やヘッド外周にも入れられており気合の入り様が窺えます。設計の拘りから出る音もまた個性を感じます。サスティーンはやや長く、輪郭のボケないクリアな響き。重厚な材を使用しているだけに重く響く、ややレンジ感の広いサウンド。音の分離感も充分ですが、バラけることは無くある程度まとまる扱いやすさ。音色もやや太く、弦をプルした際に弾けるような響きが心地よい１本です。ストロークだけではなく、フィンガースタイルでも使えそうなトーンを持ち合わせたドレッド。トップの塗装がシェラック故にボディトップ面下部や６弦側指板横のショルダー箇所、肘が当たる６弦側ロアバウト箇所に塗装が反応した跡が見られますが、シェラック塗装の特徴でもあるため致し方無いところでしょう。ボディトップショルダー箇所の薄い当てキズやブリッジ６弦側辺りの当てキズ、ボディバック面全体に薄い擦れキズ等若干の使用感が感じられますが、全体を通してキレイなコンディションをキープされている１本。ネックのコンディションも良好に保たれ演奏性良しの作品です。自身のブランドを象徴する、ヘッドに佇む猫のインレイもチャームポイント。質実剛健な造り、理屈に基づいた設計、遊び心が垣間見えるデザイン。触れればわかるサウンドと造りの良さ。是非一度ご体感下さいませ。 オリジナルハードケースが付属します。 Condition:EX+ Top:Solid Lutz Spruce Side:Solid Ziricote Back:Solid Ziricote Neck:Maple&Rosewood 3P Fingerboard:Ebony Bridge:Ebony Machine Head:Gotoh SD90/MG-T Fingerboard Inlay:none Rosette:Pearl & Wood Binding:Maple & Pearl Pick Guard:none Pick up:none Nut width:44mm Scale:644mm Case:Original Hard Case