J-65M 1988

1985年に発表された、マーチン社の中では比較的新しいボディシェイプ"Ｊ(ジャンボ)"。本器はメイプルをサイドバックに使用した”J-65M”。1988年製USED品です。シトカスプルーストップ、フレイムメイプルサイド&バック、マホガニーネック、エボニー指板&ブリッジ、べっ甲柄ボディ＆指板バインディング、シャーラーゴールドペグパーロイドつまみ、ドット指板インレイ、べっ甲柄ピックガード、モザイクバックストリップ、スキャロップドXブレイシング。1977年に発売された”M（OOOO）”サイズ、OOOを一回り大きくしたようなシェイプ。元を辿ると1930年代に作られていたアーチトップモデルのF-7とF-9をフラットトップへコンバージョンし、ロングスケールへとする改造から生まれた経緯を持ちます。その後1985年にMサイズを基にしてボディ厚をDサイズと同等にしたのが”J”です。当時のJサイズのレギュラーラインナップ上の最上位はJ-65M。製造期間はおよそ10年程と少ない本数の製造のみでラインナップから消えてしまったモデルとなります。基となったMシェイプが優秀だったこともあり、本モデルも厚みが増えたとしても抱え易さは健在です。ドレッドに比べてくびれが深く、肩に負荷が掛かりにくい形状。それでも厚みはしっかりとあるので深い響きを生み出してくれます。サウンドもドレッドより若干引き締まったトーン、OOOよりもレンジ感が広く迫力のある低音感を体感することが出来ます。サウンドバランスはOOO寄りで整った響きを感じやすく、DとOOOの特徴をミックスしたかのようなトーン。メイプルのフラットな特性と甘さを感じさせる音色も合わさり、演奏者のタッチに合わせてトーンが変わる１本。ダークに、はたまた快活に、そしてメロウに、弾きごたえのある１本と言えるでしょう。意外と見かけないものの、優秀さを隠し持っているダークホース。ボディトップ面両くびれとバック面１弦側くびれ箇所にバインディング剥がれの修正跡が見られるモノの、丁寧に作業がされており使用する上で問題はありません。ピックガードの薄い弾きキズ、ボディトップ面に細々とした薄い当てキズ、ボディバック面のバックルキズのような擦れキズやボディサイド６弦側のくびれ付近の爪が当たったような当てキズなど若干の使用感は見られますが、40年近くを経た個体としてはキレイな状態をキープされている個体。トラスロッドは若干硬めの手応えですがまだ回り、サドルの削り代も残した状態。ネックの状態は良好にキープされた１本です。意外と出物の少ないマーチン”J”、オールマイティに使えるポテンシャルを与えられたモデル。80年代の新たな挑戦を行っていた頃に生み出された意欲作です。マーチンではあまり見られないメイプルを使用した作風もその一環、珍しい仕様、サイズのギターです。是非一度お試し下さいませ。 汎用のハードケースが付属します Condition:EX++ Top:Solid Sitka Spruce Side:Solid Flamed Maple Back:Solid Flamed Maple Neck:Mahogany Fingerboard:Ebony Bridge:Ebony Fingerboard Inlay:Dots Rosette:B&W Binding:Tortoise Color B&W Machine Heads:Schaller Martin/Gold Pick Guard:Tortoise Color Pick up:none Nut width:42.9mm Scale:645.2mm Case:Hard Case