神奈川相模原にてルシアー"小林良輔"により製作される"Ryosuke Kobayashi Guitars"。数々の著名な作家を輩出しているアメリカのロバート・ベン・スクールでギター製作の基礎を学び、"杉田健司"(スギクラフト)に師事。後にカナダのルシアー、サーゲ・デ・ヤングの工房にてさらに技を磨き上げ、独立。楽器の音色へのこだわりはもちろんのこと、緻密かつ優れた木工技術とアート性の高いデザイン力も持ち合わせており、国内外の他のルシアーからも高い評価を得ています。
本器は"Ryosuke Kobayashi Guitars"製作100本目を記念するモデル『No.100 Anniversary Model "R"』。Sound Messe in OSAKA 2024のショーモデルでもある本器は、前々から温め続けていた独創的かつ論理的なコンセプトを満を持して採用した1本です。
3ピーススプルーストップ、ハカランダサイド、ハカランダダブルバック、マホガニーネック、エボニー指板、ハカランダブリッジ、ゴトー製KG-02ペグ、ウッドラジアル&ヘリンボーンロゼッタ、マッカーサーエボニーバインディング、セラック塗装。
本器いちばんの特徴はやはり3ピーストップ構造。追柾目材のベアクロウ・イングルマンスプルースをトップ両サイドへ斜角に配置し、中央に50年天然乾燥を経た硬質なオールドグロース・スプルースを挟み込むことでトップ全体の剛性(音響性)をコントロール。内部ブレーシングもこの仕様に合わせて最適化されています。現在クラシックギターの名工の作品などで一部見られる3ピーストップ構造ですが、アコースティックギターへ採用されたものはほぼ皆無と言っていいでしょう。硬さ、柔軟性に関してのバランスや方向性が柾目材とは異なるため、一般的にはボディに追柾目材を利用するのは難しいとされておりますが、材の個性と構造の特性を理論的に捉え、見事3ピーストップというかたちで成立させております。
バックにはスプルース単板(内側)とハカランダ単板(外側)を合わせたダブルバックを採用。単板としての機能を持たせながら重量、剛性の調整ができるため個人製作家の間でも人気の仕様です。
また、貝や樹脂は使用せず木材にこだわって施された装飾も魅力。特にメイプル、ローズウッド、グラナディロ、サペリ、ウェンジ、ボックスウッド材を緻密に組み込んだロゼッタは非常に意匠性が高く、こういった部分からも小林氏の技量の素晴らしさが窺えます。
軽く爪弾くだけでも撥弦した瞬間に音が飛び出すような心地の良さ。どこかウッディで太い音像ながら雑味のないクリアで澄んだ音色を持ち合わせ、特に中音域から高音域にかけては倍音が増したかのようなドライブ感をお楽しみいただけます。
薄いネックシェイプでポジションを問わず弾きやすく、弾き手のタッチやニュアンスにも敏感に反応。弾き手の様々なアジや情感を演出できる幅広い演奏性を併せ持つ1本です。
多くの知識と高い技術、そして豊富なキャリアから充実期を迎える"小林良輔"。アメリカ、カナダ、そして日本と、3カ国でギター造りを学んだ氏ならではの広い視点の1本。そのこだわりと情熱を、是非お手元でお確かめください。
Condition:NEW
Top:Solid Bearclaw Englemann Spruce / Solid Old Growth Spruce
Side:Solid Jacaranda
Back:Double Back (Jacaranda / Old Growth Spruce)
Neck:Mahogany
Fingerbord:Ebony
Bridge:Jacaranda
Machine Head:Gotoh KG-02 w/Black mother of Pearl Buttons
Fingerbord Inlay:None
Rosette:Radial mosaic and Herringbone made of Maple,Rosewood,Granadillo,Sapele,Boxwood and Wenge
Binding:Macassar Ebony
Pick Guard:Clear
Pick up:none
Nut width:43.0mm
Scale:630mm
Case:Original Hard Case