抱えやすい小柄なサイズ感、それでありつつ深みを感じられる豊潤なトーンや澄み切った響きを持つOOO-18。マーチンのスタンダード2台巨頭と言える機種、通好みな乾いた音色や枯れたサウンドなど愛用者の多さにも頷ける魅力を持っています。ドレッドノートに比べ程よく抑えられたロウはミッドハイのレンジが主役となり、ドレッドノートとはまた異なる秀逸なトーンを発揮する事が出来ます。本器は1950年製の1本。スプルーストップ、マホガニーサイド&バック、マホガニーネック、ハカランダ指板&ブリッジ、ハカランダ化粧板、パール指板ドット、オリジナル塗り込みベッコウ柄セルピックガード、ベッコウセルバインディング、スチールTバーロッド。エンドピンはジャックサイズに拡張され同径のウッドピンを装着、ペグは近年クルーソンカバードタイプに交換されています。長く愛されている機種故に様々な仕様変更を経てきたモデルの1つ。製造時期によってサウンドにも変化があり、その時期だけでしか持ちえないトーンや仕様はヴィンテージ特有と言えるでしょう。本器の生まれた時期はリアシフトブレイシング、テーパードからノンスキャロップへと変化したときに当たります。リアシフトでしか出し得ない粒立ちの良さや整ったトーンバランス、クリアな響きに乾いた音色。ノンスキャロップで骨太な音色に変化し、強いピッキングではドライブ感のあるトーンを響かせてくれます。42mmほどのナット幅と操作性も高く、握り込んだプレイや手のひらをネック裏に付けるような演奏スタイルにおいてしっくり馴染むグリップ。演奏スタイルを問わないオールマイティさを持っており、得手不得手を感じさせない辺りは流石と言えるでしょう。ニュアンスを付けた演奏に応えてくれる構造、ニュアンスをつけやすい演奏性のネック、弾きごたえのある1本です。ピックガード内側にサウンドホールからブリッジまでの木部クラック痕が見られますが、パッチを当てられ丁寧に補修されています。ボディトップ指板両サイドに指板に沿って入った木部クラック痕が見られますが、既に補修済みで問題なく使用できる状態。トップには風合いを損なわない程度の薄いオーバーラッカーやサイドにはケースと反応した塗装負け、バック面のセンターに塗装剥げなどが見られますがしっかりと使用してきたことが窺えるようなものです。その他にはサウンドホール周りの弾きキズや薄いピッキングウェア、細やかな当てキズほどとオールドらしい貫禄を持った個体。その経年に反してネックコンディションは非常に良好なまま保たれており、弦高も現代的に整えられプレイコンディションも申し分なし。これからもガシガシ弾ける状態をキープされたPlay Vintageの1本です。圧倒的にプレイヤー需要が多い50sの000-18。50sの実用的な一本をお探しの方にぜひお勧めしたい一品です。
汎用ハードケース付属。
Condition:EX
Top:Solid Spruce
Side:Solid Mahogany
Back:Solid Mahogany
Neck:Mahogany
Fingerboard:Jacaranda
Bridge:Jacaranda
Fingerboard Inlay:Dots(Pearl)
Rosette:Black&White
Binding:Tortoise Color
Machine Heads:Kluson Covered Type
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:none
Nut width:42mm
Scale:632.5mm
Case:Hard Case