千葉県のルシアー、ヒロエバタ氏の作品。名匠アーヴィン・ソモギ氏のもとで製作術を学び、独立後も師匠のボイシングを継承しながら、ソロインストに最適なギターを目標に掲げ、独自のギターづくりに余念がありません。現在エバタ氏はギター製作を引退しており、過去の希少な作品を求めるしかありません。本器はほぼ最終期の2013年に製作されたオリジナルドレッドノートカッタウェイ、ファンフレット仕様のオリジナリティー溢れる一本です。トップにヨーロピアンスプルーストップ、サイド&バックは比重が重く、濃淡が魅力のアフリカンブラックウッド。サイドにはエキゾチックなサップが入っています。マホガニーネック、エボニー指板、ハカランダブリッジ、オリジナルゴトー510ペグ(1:21)、桜のインレイを散りばめたウッドロゼッタ、3Dデザインの積層ブリッジ、積層スキャロップドナット、オリジナルクリアピックガード、フローレンカッタウェイ、Somogyiパターンよりインスパイアされたオリジナルラティスブレイシング、ダブルレイヤーサイド仕様、トップフィニッシュはシェラック、サイドバックはラッカーフィニッシュとなっております。ファンフレット仕様が採用されており、6弦が約677mmと超ロングスケールで弦が細くなるにつれダウンスケールする仕組みで1弦は約640mmスケールとなります。各弦ピッチに合わせたフレットポジションになるため、放射状に配置されたフレッティングが特徴。張りのある低音弦はドロップチューニングにもポテンシャルを最大限発揮し、各弦のテンション感が役割毎に理にかなっています。ヨーロピアンスプルースと比重のあるアフリカンブラックウッドがファンフレット仕様の良さを最大限に引き出しており、密度が高く豊富なボリュームと強調された中低音、それに高音が埋もれることのない線の太い高音も同時に楽しんでいただけます。デリケートで調和の取れたサウンドが印象的です。ピックガード周辺のスクラッチ傷や各所まばらに見られるわずかな打痕や擦り傷はありますが、全体的に良好な状態はキープ。ネックは美しいストレートをキープしており、プレイアビリティは抜群。弾きやすくセットアップされております。フィンガースタイリストにとってもドロップを多用するフラットピッカーにも魅力のあるギターです。流通数の少ないルシアーギターの晩年成熟期の作品。オリジナルハードケースが付属します。
Condition:EX++
Top:Solid European Spruce
Side:African Blackwood Double layered
Back:Solid African Blackwood
Neck:Mahogany
Fingerboard:Ebony
Bridge:Jacaranda
Fingerboard Inlay:none
Rosette:Abalone&Wood
Binding:Wood
Machine Heads:Gotoh510
Pick Guard:Clear
Pick up:none
Nut width:47.6mm
Scale:677mm(6st)-640mm(1st)
Case:Original Hard Case